もう1度その声を


「いらっしゃいませ」



感じのいい店員がアタシを見てにっこり笑い、それから自分の仕事に戻っていった。



「るい!!」


「莉緒ぉ」


「突然だったけど、るいん家大丈夫??」


「うん。今、誰もいないし。大丈夫だよ」



「そっか。んで、何買うの??」



「んー。別に買うものなんかないんだよね。莉緒に早く会いたくて」



「るいぃぃぃ・・・。可愛いやつだなぁ。早く行こ」





アタシの手を握りながら、出入り口へ向かう。



「莉緒。ありがとね」


「全然だよ」





優真と別れた日、アタシは大泣きで莉緒に電話をした。

とても戸惑いながら対応してくれた莉緒、可愛かったなぁ。




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