「キカイ」の子
食事を終えた冬彦は、予想通り余った料理にラップをかけ、冷蔵庫にしまっていた。


明日の昼食の弁当に入れるためだった。



冷蔵庫の扉を閉めた後、彼は空いた皿などを洗い始めた。





彼の皿洗いは危なげではなく、手慣れていた。




それは、もう何年も、この作業をしてきたからだった。




親の仕事柄、彼は幼い頃から、夜を一人で過ごすことが多かった。




小さい頃はそれを不満に思ったりしていたが、時の流れが残酷に、その感情を彼の心から連れ去ってしまった。






他の感情についても同じだった。不平不満を言おうにも、それは相手がいなければできない事。






彼は長い年月の中で、それを理解し、感情を完全に押し殺してしまった。





皿を軽くゆすいだ後、彼は、シンクの隣にある食器洗い機の中に皿を入れた。
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