「キカイ」の子
食器洗い機の扉を閉めた後、冬彦は、風呂に入るために、洗面所に向かい、服を脱いだ。






すりガラスの張られた引き戸を開けると、彼は浴室に入った。





彼の家の浴室は広く、特に浴槽は、大理石で作られており、大の大人がすっぽり入ってしまうほど大きなものだった。



それに背を向け、彼は体を洗い始めた。










大きな浴槽の中で、体を洗い終えた冬彦は、一人、浴槽の壁に寄りかかりながら、立ち上る湯気をぼうっと見ていた。









数分経った後、冬彦が風呂から上がる音が浴室中によく響いた。
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