「キカイ」の子

彼のココロ

…あれ?…ここはどこだ。



冬彦が目を開けると、見慣れない白い天井が見えた。





体を起こすと、彼は今、自分がどこにいるのか理解した。








そこは、病院だった。







鍬原さん…




冬彦は窓の外を見ながら、あの日の夏美の姿を思い出し、あの時何もできなかった自分に腹が立った。






僕は…本当に…何をしてきたんだ。父さんに言われた通りに勉強だけをして、それが何になった!友達だけを頑張らせて、僕は…何にもしてこなかったじゃないかっ!






冬彦は自分の不甲斐なさに憤りを感じて、シーツを思いっきり殴った。







その時、静かに病室の扉が開いた。
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