「キカイ」の子
「あの…あれから、どれくらい経ったんですか?」





「なに、そんなに経っていないさ。十時間ぐらいかな。君のお父さんには、僕が連絡しておいたよ。」




「あっ!」





冬彦は、今の今まで両親のことをすっかり忘れていた。





「ありがとうございます。…健一さん、父さんはなんて…?」





「ん?あぁ、よろしく、とだけ言って、電話を切ったよ。こんな時にまで仕事か、と思ったがね…」



健一はそう言って苦笑いを浮かべた。




「父さん…最近忙しいみたいだから…あと、鍬原さんのことは?」



「大丈夫。ちゃんと黙っておいたから。」







二人が和やかな会話をしていると、いきなり病室のドアが勢いよく開けられた。
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