「キカイ」の子
「フユピコォォッ!」




透が叫びながら、冬彦に駆け寄った。







「透っ!」


友人の急な登場に、冬彦は驚いた声を出した。





「心配したんだぞ!」






透は、健一を押し退けながら、ベッドの近くにあるパイプ椅子に飛び乗った。




「こ、こら!透!ここは、病室だぞ!静かにしないか!」






健一は、よろけながら、透を叱ったが、透には届いていなかった。







「ちょ、ちょっと、透~あたしを置いていかないでよ~」





病室の入り口に、荒い息をついている夏美が立っていた。





「ん?あぁ、悪い悪い。」





透は夏美に気づいたようで、簡単に謝った。






「もうっ!」





夏美は、不満そうに言いながら、ベッドに近寄り、透とは逆側に立った。
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