「キカイ」の子
夏美が側に来た後、透は嬉しそうに話した。






「フユピコ、もう、大丈夫なんだな?」



「うん。ありがとう、透。」





そう言って、冬彦は笑った。









その時、透は目を丸くし、夏美は口を押さえた。




「…?…どうしたの、透?…鍬原さん?」






冬彦は、わけがわからないといった感じで、二人の顔を見比べて訊いた。





「フユピコ…おまえ、笑うんだな…」


「あたしも…初めて見た。」



「え…?」




冬彦はそう言われて、自分が笑っていることに気づいた。





あれ…?僕…何で…笑ってるんだろ…?






冬彦は、初めての感覚に戸惑ったが、なぜか悪い気分はしなかった。
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