「キカイ」の子
「ま、まぁ…いいっか。フユピコだって人間だしな。」




「もう!失礼でしょ。透。」




夏美が少し強い声で言った。




「ふぅ。君達、高椿君が気がついたことに、はしゃぐのは構わないが…ここは病院だぞ。」







しばらく微笑んで見ていた健一が、会話に割って入った。




「あ、すいません。」
「ごめんなさい。父さん。」



夏美と透が素直に謝った後、健一は、



「彼は気がついたばかりだから、あまり無理をさせないでくれよ。」

と言って、部屋を出て行った。





健一がいなくなった後、冬彦は、少し低い声で話し始めた。




「ごめんね。二人とも。辛い思いさせて。」



「バカ。フユピコのせいじゃないって。」




透は彼の父親と同じように、冬彦を励ました。
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