「キカイ」の子
冬彦が気がつくと、窓の外は真っ暗だった。





あ…寝ちゃったんだ。





冬彦は、寝起きの気だるさに体を捕まれながらも、ゆっくりと起き上がった。







うわ…汗でベトベトだ…お風呂に入ろう…





冬彦は汗でベタつく服を掴み、引っ張ったり近づけたりして、空気を入れながら階段を降りていった。







階下まで来ると、一階には電気がついていなかった。


聡も郁恵も帰ってきてはいないようだった。






…この時間にいないってことは、たぶん帰ってこないな…





冬彦はそんなことを考えながら脱衣場に向かった。






湯船に入って、冬彦は少しの間ボーっとした。






その間も、彼の頭には夏美の笑顔がぼんやりと浮かんでいた。
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