「キカイ」の子
最後の夏
「ねぇ、冬彦。夏休み、何か予定立てよ?」
下校途中、冬彦と並んで歩いている夏美が、口を開いた。
「…予定?う~ん、夏美は、何かしたいことでもあるの?」
「あたし、海とか行きたいなぁ…」
「海か…って、夏美は、泳いだら駄目だよ。体育もプールも見学してるんだからさ…」
冬彦は、夏美の提案に賛成しようとしたが、彼女の病気のことを思い出して、そう言った。
「……うん。そうなんだけどさ…」
夏美は不服そうな顔をした。
「どうして、海に行きたいの?」
冬彦は、彼女を気遣いながら訊いた。
「だってさ…あたし、ずっと病気だったから、海なんかほとんど行ったことないんだよ?最後の夏くらい…行きたいよ…」
……最後の夏…か…
冬彦は、隣で悔しそうにうつむいている夏美を見て、そんなことを思った。
下校途中、冬彦と並んで歩いている夏美が、口を開いた。
「…予定?う~ん、夏美は、何かしたいことでもあるの?」
「あたし、海とか行きたいなぁ…」
「海か…って、夏美は、泳いだら駄目だよ。体育もプールも見学してるんだからさ…」
冬彦は、夏美の提案に賛成しようとしたが、彼女の病気のことを思い出して、そう言った。
「……うん。そうなんだけどさ…」
夏美は不服そうな顔をした。
「どうして、海に行きたいの?」
冬彦は、彼女を気遣いながら訊いた。
「だってさ…あたし、ずっと病気だったから、海なんかほとんど行ったことないんだよ?最後の夏くらい…行きたいよ…」
……最後の夏…か…
冬彦は、隣で悔しそうにうつむいている夏美を見て、そんなことを思った。