「キカイ」の子
「ただいま~」



冬彦が家に帰ってくると、玄関に聡の靴があった。





「お父さん?帰ってるの?」






冬彦はそう言いながら、リビングへと入っていった。






すると、そこに、予想通り聡がいた。






「冬彦か?随分と早いんだな。」





聡は、冬彦の帰宅があまりに早いので驚いていた。





「今日は終業式だったから…午前中で終わりだったんだ。」





冬彦は、聡にそう答えながら、冷蔵庫に向かった。






「あ~、暑かった。父さんも、何か飲む?」




「い、嫌。父さんは、すぐに出かけるからいいんだ。」





聡は、戸惑いながら口を開いた。


「そうなんだ…」


冷蔵庫を開けながら、冬彦はそう言うと、飲み物を探し始めた。








聡はその様子を、口を結んで、じっと見ていた。
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