「キカイ」の子

トーストを食べながら、ニュースと天気予報を見た後、冬彦はテレビの電源を切り、服を着替えるのとカバンを取りに行くために、二階へ上がった。







黒い、詰め襟の制服を着た冬彦はカバンを持って降りてきた。





彼は、食卓にある、白く汚れたグラスと、パンのかけらが乗る皿を、シンクに置き、ついでにキッチンで弁当をカバンに入れると、玄関に向かった。







「行ってきます。」


白い靴を履いた彼は、振り向きながら、答えが返ってこないことを知りながらも、小さく呟いた。






午前八時まで、あと五分。







全く無駄のない動きで、朝の時間を過ごした冬彦が出ていき、この家から本当に誰もいなくなった。