「キカイ」の子

夏の終わり

冬彦と夏美は、海水浴の計画を立てるために、病院から少し歩いたところにある図書館に来ていた。






「ここから、一番近い海水浴場って……大東海岸か。」





冬彦は、図書館の中で見つけた地図を机の上で広げて、そう言った。




「どれくらいの距離があるの？」




彼の向かいに座っている夏美が、身を乗り出して訊いた。





その言葉を聞いた冬彦は、地図を指でなぞり、最寄りの駅を探した。





「大東駅か……僕達の家に近い駅は、この、岸駅だから…だいたい、電車で一時間くらいかな？」



「結構…遠いね。」



「うん。そうだね。」



「まぁ、いっか。…よし！これで行く場所は決めたから…後は日にちだけね。」






それから二人は、楽しそうに計画を立て、図書館を出た。