「キカイ」の子
「おはよ~っす!フユピコー」






冬彦が学校のグラウンドを歩いていると、後ろからやけに明るい声が聞こえた。







「おはよう。透。」




冬彦は、振り返って穏やかに答えた。






一人の少年が冬彦に駆け寄って、少し笑みを浮かべながら言った。








「よ~。今日の体育ってさぁ…確かサッカーだよな?」



「うん。前に先生がそう言ってたけど…」



「よ~し。…なら、勝負だ、フユピコ!」






冬彦に向かって、ビシッと指を指して、透は言った。




長い茶色の髪が揺れる。






冬彦は、やれやれといった感じで、肩をすくめた。
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