「キカイ」の子
「ねぇ、冬彦?」




大東駅から数分歩いた時、夏美が口を開いた。




「何?」




並んで歩いている冬彦が、彼女の方を向いて答えた。





「あのさ…そのバッグの中、何が入ってるの?水着だけにしちゃ、大きすぎない?」



「ん?…ああ、それは内緒。」



「え~、何それ?」


「まぁまぁ…それより、見えてきたよ。ほら。」



「え?」





冬彦が指を指した方を、夏美が見ると、そこには、太陽に照らされて白く輝く砂浜と、太陽光を乱反射して輝く海があった。






「うわぁ…」






夏美はその景色に感動し、走り出した。






「ちょっと、待ってよ、夏美。」




冬彦はそう言って、彼女の後を追いかけた。
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