「キカイ」の子
「うむ。今日はもう寝なさい。冬彦…今後、二度とこんなことはするなよ。」







冬彦の返事を聞いた聡は、そう言った。





「はい…」






冬彦はそう言うと、洗面所に行き、寝る準備をし始めた。







まだ、リビングでは聡達が何か話していたが、水の音が邪魔してよく聞こえなかった。










歯を磨き終えた冬彦は、聡達には何も言わずに、自分の部屋に上がった。








部屋に入った冬彦は、ベッドに寝転がった。








仰向けに寝て、白い天井を見ている彼はどうしようもない苛立ちを感じ、顔をしかめた。







「ーーつぅ…」






彼の胸にまた、あの鋭い痛みが走った。



……キリ








静かな部屋の中で、冬彦は、あの嫌な音を聞いた気がした。
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