「キカイ」の子
「ん?…なんだよ~夏美かよ~」




振り返った透は、眉間にしわを寄せながら、がっかりしながら言った。




「何よ~、その態度ちょっと酷くない?」


学校の制服を着た、すごい美人とは言いがたいが、それでも可愛らしい少女が、腰に手をあてて、不満そうに言った。






「……朝からおまえを見た俺のハートを察知してくれ…」





透は、少し大げさに肩を落としながら呟いた。







「毛の生えまくった、丈夫なハートでしょ?」



「誰がだっ!」



そうビシッと透が突っ込むと、夏美は胸に手を当てて、



「ガラスのハートっていうのは…私みたいに…か弱い女の子が使うべきなのよ!」

と言った。





それを聞いた透は、




「夏美の場合は、ぼ、う、だ、ん、ガラスだろ?」




と、防弾のところを強調し、さらに、おどけながら言った。




「な、なんですって~」



そう言って、夏美は透を睨んだ。
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