「キカイ」の子
「え…?」




冬彦は自分の耳を疑った。






…夏美が…入院?






透は、冬彦が心底驚いているのを見て、信じられないといった顔で話し掛けた。





「まさか…聞いてないのか…?」





冬彦はまだ呆然としていて、答えなかったが、透は、その様子で十分に理解できた。






「どうなってんだよ!おまえらは!付き合ってんじゃないのか?」







悲痛な声で訊いてくる透に、冬彦は何も答えられないまま、ただそこに、立ち尽くしていた。









…夏美…どうして…



冬彦がそう思うと、










キリ…








あの嫌な音が聞こえた。
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