「キカイ」の子
「まったく…」




冬彦は、心底呆れたといった態度を取ったが、彼は内心嬉しかった。







…ごめん、透。心配かけたね…







透はまだ少し、居心地悪そうな顔をしていた。






「と、ところでさ…冬彦はこの後どうすんだ?」






「う~ん。とりあえず今日は帰るよ。そろそろ、中間テストの準備もしなきゃいけないし…」







「ゲ…嫌なこと思い出させるなよ…それに、テストって言ったって、来月の半ばだろ?」







「うん、そうなんだけどね…最近、父さん達が、前にも増して、勉強勉強ってうるさいんだ…」







「…そうか。相変わらず、大変だな…」







「まぁ…仕方ないよ。僕らは今、受験生なんだもん。」








「……冬彦…嫌なこと…思い出させんなよ~」






透が情けない声を出した後、冬彦は笑顔で透と別れ、病院を後にした。
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