「キカイ」の子
あの日から一週間が経ち、十月になった。



冬彦はあの日以来、ほぼ毎日のように夏美の病室へと足を運んでいた。







健一には苦笑いをされ、透には呆れられたが、それでも冬彦は夏美に会うのが嬉しかった。








そして、彼は、今日も学校が終わると真っ直ぐに病院へと向かった。








「やぁ、夏美。」





冬彦が夏美に声を掛けながら病室へ入ると、彼に気づいた彼女は嬉しそうな表情で彼を迎えた。






夏美の体はあれから、だんだんと痩せて、肌の色も、前にも増して白くなり、病気が進行しているのが、冬彦にもはっきりと分かった。








「あ！冬彦。今日はちょっと遅かったね…来ないのかと思っちゃった。」






「ごめんね。今日は、授業が終わってから、先生が来週から始まるテストの話をし出したから…」






「そっか…もう…そんな時期なんだね…」






「あ…そっか…夏美はテスト受けられないんだよね…」








冬彦が申し訳なさそうな顔をすると、夏美は明るい態度を見せた。
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表紙・目次

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