「キカイ」の子
冬彦が家に帰っても、家の中からは誰の声も聞こえなかった。







しかし、冬彦は気にせず、二階へと上がっていった。







彼は部屋に入ると、いつもの様に机に向かい、宿題をやり始めた。









また、この部屋に絵画が描かれた。









そして、昨日と全く同じ時間に、同じ声が、同じ口調で、その絵画の時の流れを遮った。









一度、絵の主人公は部屋という枠から抜けたが、しばらく経った後、顔を赤くし、手に飲み物を持ち、服を着替えた彼が現れ、元の位置に戻った。










彼の変わらない日常は、昨日と同じように終わりを迎えた。
< 26 / 363 >

この作品をシェア

pagetop