「キカイ」の子
「はぁ、わかったよ透。今日の夜にでも父さんか母さんに訊いてみるよ。」



そう言った途端に、透の顔から雨の気配が消えた。





「ホントか!さすが、フユピコ!」





透は相当嬉しかったようで、何度も冬彦に確認していた。










「ねぇねぇ…何の話してるの?」





喜んでいる透の後ろから、夏美が声をかけた。





「あぁ、夏美か。冬彦がな、明日行けるってよ。」

「ホントにっ!?」



夏美は、透以上に冬彦の参加が、意外だったらしく、驚きで固まっていた。




その様子を見た冬彦は耐えかねて、




「まだ、行くって決まったわけじゃ…」


と訂正していた。






「え?どういうこと?」





夏美は再び固まっていた。
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