「キカイ」の子
「じゃあ…立って話すには長いから…君はベッドに行ってくれるかな?」





健一は部屋に入ると、前にいる冬彦の背中を優しく押して、ベッドへと向かわせた。







冬彦は無言でそれに従い、ベッドに腰掛けた。






「それじゃあ…何から話そうかな…」







冬彦が座ったのを確認すると、健一はそう言いながら、近くにあったパイプ椅子に座った。







「……僕はいったい…何なんですか?」








冬彦は健一を見ながら、一番疑問に思っていることをぶつけた。








すると、健一は上を向き、考え始めた。








実際には数秒ほどだが、答えが待ち遠しい冬彦にとって、その間は何分にも感じた。














「……君は…ヒトじゃないんだよ。」








思考を終えた健一は、ゆっくりと冬彦を見て、まるで呟くように語った。
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