「キカイ」の子
「う…それは…そうだけどさぁ…」





透は痛い所を突かれたようで、ちょっとだけ声のトーンを落とした。





そんな透を横目で見ながら、夏美は冬彦に話しかけた。






「高椿君…」




「何?」




「もし明日、無理になっても気にしないでよ。透が勝手に決めつけただけなんだから。」






その言葉を聞いた冬彦は、







「ありがとう。」

とだけ言った。






冬彦の返事を聞いた夏美は、窓を見て、




「晴れると良いね。明日。」





と嬉しそうに言った。






窓の外では、雲の隙間から、少しだけ光が見えていた。
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