「キカイ」の子
人として
静まり返った病院の廊下に冬彦と健一の足音が響く。
どちらも口を開こうとせず、ただ黙って夏美の部屋へと向かっていた。
廊下は病室以上に寒く、二人の吐く息は白く染まっていた。
冬彦は何気なく窓の外を見たが、そこには反射した自分の姿が映し出されていた。
……夏美には…黙っておこう…
冬彦は自分の体については、全て伏せることにした。
言えば夏美は信じてくれる。
冬彦はそれを分かっていたが、彼女にこれ以上の負担をかけたくなかった。
改めて意思を固めた冬彦が健一の後を追って四、五分経った頃、彼らは夏美の病室の前に立っていた。
どちらも口を開こうとせず、ただ黙って夏美の部屋へと向かっていた。
廊下は病室以上に寒く、二人の吐く息は白く染まっていた。
冬彦は何気なく窓の外を見たが、そこには反射した自分の姿が映し出されていた。
……夏美には…黙っておこう…
冬彦は自分の体については、全て伏せることにした。
言えば夏美は信じてくれる。
冬彦はそれを分かっていたが、彼女にこれ以上の負担をかけたくなかった。
改めて意思を固めた冬彦が健一の後を追って四、五分経った頃、彼らは夏美の病室の前に立っていた。