「キカイ」の子
「あ!冬彦の家だ~」


夏美は嬉しそうな声を出したが、冬彦は少し悲しい目で自分の家を眺めていた。








……あそこは…僕の家でいいんだろうか…?僕は…「冬彦」じゃ…ないのに…

…夏美を背負って歩いても疲れないこの身体…機械の身体…人間じゃない……からだ…




冬彦がそんなことを考えて立ち止まっていると、夏美が心配そうな声を出した。





「冬彦?大丈夫?疲れたんなら、私、歩くよ?」




「だ、大丈夫だよ!」



冬彦はそう言うと、また歩き始めた。










「冬彦」の家へと向かって…
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