「キカイ」の子
「……ここは…夏美が教えてくれた…秘密の場所だから…

ゆっくり話すには…ここがいいかなって…」




「……話って?」





「……色々…」





二人は顔を合わせずに、目の前に広がる街並みを見ながら話している。






「色々?」






「……うん。」






冬彦はそう答えたものの何を話そうか迷っていた。






「……夏美は……いつから…好きだったの?…僕のこと…」







「きゅ、急に何?…恥ずかしい…」




「いや、何となくね…」






冬彦がそう言うと、夏美は抱え込んだ膝に顎をのせて、呟くように話し始めた。
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