「キカイ」の子
「この体や…やどりぎのことでね…周りから無視されたり、悪口を言われたり……靴や教科書を隠されるなんて当たり前だった。」




「そんな…ひどい…」



「ははっ…ひどくないいじめなんてないよ?どこのいじめもこんなもんよ?」





悲痛な面持ちで話し掛けた冬彦に対して、夏美はせせら笑いながら返した。




「……もう、いつ、誰が始めたのかわからなくなってた…理由を考えるのもめんどくさかった…でも、学校っていう場所から離れれば、尾野さんや健一さんがいたから…何とかいじめにも堪えてこれた。」







そこまで話すと夏美はゆっくりと顔だけ冬彦の方に向けた。










「そんな毎日を過ごしてた頃に……冬彦に会ったんだ…」
< 342 / 363 >

この作品をシェア

pagetop