「キカイ」の子
冬彦がダイニングに来ると、テーブルの上には何皿もの料理が乗っており、椅子には聡と郁恵が並んで座っていた。






冬彦はその向かいに、静かに座った。








「いただきます。」
「いただきます。」
聡と郁恵が、冬彦の着席の後に、手を合わせ、バラバラに言った。



「…いただきます。」




その後に冬彦も続いた。












「おぉ、そうだ冬彦…何か話があるんだったな。」




食べ始めてしばらく経ってから、聡が冬彦に訊いた。






「あら。そうなの?私は何にも聞いてないわ。」





郁恵は、箸を止めずに話した。






「そうなのか?まぁ、いい。冬彦…何の話なんだ?…話してくれないか。」






その言葉を聞き、冬彦は、一息ついた後、恐る恐る話し始めた。
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