「キカイ」の子
「どうだ?二人とも~。俺は医者になったんだぜ?すげぇだろ?しかも、心臓外科だぜ?

……まぁ、父さんには全然届かない新米だけどな。



今は……夏美、お前のかかってた病気を専門に勉強してる。いつか…絶対に…治す方法を見つけてみせるよ……見ててな。」







透の隣で、茜は黙って彼を見つめている。







「…冬彦。あの頃の俺には、正直、何でお前らがあんなことをしたのか分からなかった……恨みもした……



でも、今なら何となくだけど…分かる気がするんだ……俺も大人になったってことかな?」










透がそう言って笑うと、爽やかな風が辺りを吹き抜けていった。
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