「キカイ」の子
「それと……冬彦ぉ、茜は可愛いだろ~?」




透はニヤニヤしながら、話し出した。





「な、何言ってんのよ!」






「はははっ!まぁ……どうせお前らはあの世で仲良くイチャついてんだろ?だったら…俺も茜と目一杯イチャイチャさせて……」
「バカッ!!」

「いてっ!」







調子良く話していた透だったが、真っ赤な顔をした茜に肩を叩かれ、話を止めた。








「いてて……ちっとは手加減しろよ…」






透はそう言って横を見たが、茜は背中を向けて歩いていた。









「あ~あ……後で何か奢らされるな…あの雰囲気は……」










茜がこの場から去ると、透は懐かしむような顔をして墓を見た。
< 361 / 363 >

この作品をシェア

pagetop