「キカイ」の子
「あの…明日なんですけど…友達と……遊びに……行っても…良いですか?」





冬彦が、途切れ途切れにそう言うと、聡と郁恵は、驚きのあまり固まってしまった。








しかし、すぐに聡の顔はみるみる赤くなり、郁恵の顔は、その逆に青ざめていった。









「何を言ってるんだっ!」






聡が、強くテーブルを叩きながら、怒鳴った。


テーブルの上の食器が大きな音を立てた。







「そうよ!冬彦!何を突然言い出すの!」





青ざめた顔で、郁恵が続いた。






「いいかっ!お前は、この高椿家の長男で、一人息子なんだぞっ!ゆくゆく、将来はこの国を背負っていかねばならないんだっ!…遊んでいる暇なんかないっ!」



聡がそう言った時、




「ーーうっ…」





冬彦の胸をあの痛みが襲った。
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