「キカイ」の子
「……明日、駄目になったんだ…」
冬彦は夕食を終え、自分の部屋から電話の子機で、透に電話していた。
電話の向こうで、透は残念そうにしていたが、すぐに、仕方ないさ、と笑って言った。
「…うん、うん、ありがとう。ごめんな、透…」
冬彦が最後にそう言って電話を切ろうとした時、透が話し掛けた。
「なぁ…?夏美の方には……俺から電話しておこうか?」
透は、冬彦の親が夏美にどういった印象を持っているのかを、薄々感づいていたため、冬彦を気遣って、そう言った。
「うん。できれば…そうしてくれないかな?」
冬彦がそう言うと、透が電話の向こうで、あぁ、わかった、と明るい声で言って電話を切った。
冬彦は、ツーツー、と鳴る電話を片手に、さっき痛くなった胸を押さえながら、虚空を見つめていた。
冬彦は夕食を終え、自分の部屋から電話の子機で、透に電話していた。
電話の向こうで、透は残念そうにしていたが、すぐに、仕方ないさ、と笑って言った。
「…うん、うん、ありがとう。ごめんな、透…」
冬彦が最後にそう言って電話を切ろうとした時、透が話し掛けた。
「なぁ…?夏美の方には……俺から電話しておこうか?」
透は、冬彦の親が夏美にどういった印象を持っているのかを、薄々感づいていたため、冬彦を気遣って、そう言った。
「うん。できれば…そうしてくれないかな?」
冬彦がそう言うと、透が電話の向こうで、あぁ、わかった、と明るい声で言って電話を切った。
冬彦は、ツーツー、と鳴る電話を片手に、さっき痛くなった胸を押さえながら、虚空を見つめていた。