「キカイ」の子
「えぇ~。高椿君、駄目だって~」
透からの電話を受けた夏美が、携帯電話を片手に、心底残念そうに言った。
「あぁ、仕方ないだろ。だから、明日は俺と二人で行くことになるな。」
「ん~。透と二人っきりってのもね~」
「なんだよ、それ~」
「まぁ、いっか~透の奢りだしね~」
「なっ!そんなこと聞いてね……」
透がわめいていたが、夏美は無視して、電話を切って、机の上に置くと、窓の方に歩いていった。
彼女の部屋は、赤やオレンジなど暖色系で彩られていた。
夏美は窓を開け、サッシにもたれながら外を見た。
そこから、冬彦の家が小さく見えた。
「……一緒に行きたかったな…」
夏美は消え入りそうな声で、今度は空を見ながらそう言った。
空に星は光っておらず、月も雲に隠れていた。
夏美が、ため息をついて窓を閉めると、ポツポツと雨が降り始めた。
透からの電話を受けた夏美が、携帯電話を片手に、心底残念そうに言った。
「あぁ、仕方ないだろ。だから、明日は俺と二人で行くことになるな。」
「ん~。透と二人っきりってのもね~」
「なんだよ、それ~」
「まぁ、いっか~透の奢りだしね~」
「なっ!そんなこと聞いてね……」
透がわめいていたが、夏美は無視して、電話を切って、机の上に置くと、窓の方に歩いていった。
彼女の部屋は、赤やオレンジなど暖色系で彩られていた。
夏美は窓を開け、サッシにもたれながら外を見た。
そこから、冬彦の家が小さく見えた。
「……一緒に行きたかったな…」
夏美は消え入りそうな声で、今度は空を見ながらそう言った。
空に星は光っておらず、月も雲に隠れていた。
夏美が、ため息をついて窓を閉めると、ポツポツと雨が降り始めた。