「キカイ」の子
「ところで、今日はいったいどうしたんだい?どこか悪いの?」




「いえ、単なる検診です。」





「そうなんだ。ということは、天野先生に用かな?」




「はい。」




「そうか、それじゃぁ…気をつけてね。って、ここは病院か。ハハッ」




健一はそう言って笑いながら歩いていった。




その笑顔が少しだけ透に似ているように、冬彦は感じた。






健一は、冬彦が見送っている最中にも、たくさんの患者から声を掛けられていた。









冬彦は、健一が建物に入っていくまで見送った後、振り返って病院に向かった。
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