「キカイ」の子
「鍬原さ~ん。」





受付から夏美の名を呼ぶ声が聞こえた。




「あ、あたしだ。」





夏美は、冬彦ともう少し話したそうに、冬彦と受付の方を交互に見た。








「鍬原さん。いいから行ってきなよ。」


冬彦は、夏美を促した。


「でも…」



しかし、夏美はまだ迷っていた。


受付からは、また夏美を呼ぶ声が聞こえた。







「ちょっと待ってて!あたし、すぐに戻るから!」




冬彦にそう告げると、夏美は早足で受付に向かった。






冬彦が彼女を遠くから眺めていると、誰かの手が冬彦の肩を叩いた。








「やぁ、高椿君。」
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