「キカイ」の子
「なぁ、フユピコ。今度の日曜って暇か?」


昼休み、いつも通りに勉強している冬彦に、透が話し掛けた。




「日曜日?今の所、何の用もないけど?」




冬彦が、ノートから目を離し、透を見て言った。





「それじゃあさ、夏祭りに行こうぜ。」

「夏祭り…?あぁ、柊神社でやる、あの祭り?」


「そそ、夏美も誘ってあるからさ。」


「ん~…わかった。とりあえず日曜は空けておくよ。」


「おう。頼むぜ。」





それだけ話すと、透は教室を出て、どこかへ行ってしまった。







冬彦は、透の方を見ていたが、また、勉強を再開した。














「やっ!高椿君!」




勉強している冬彦の前に、今度は夏美が現れた。





その顔は喜びの感情で、満ち溢れていた。
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