「キカイ」の子
「冬彦。明日は母さん、仕事で一日、家を空けるから、そのつもりでいてね。」






郁恵が、軽めの食事を終えた後、椅子から立ち上がりながら冬彦に言った。







「わかりました。お母さん。」





冬彦がそう言った時、既に食事を終え、家を出る準備をしている聡が、冬彦に話し掛けた。






「冬彦。明日は、父さんも一日家を空けるから、戸締まりはしっかりしなさい。」




そう言うと、聡は素早くリビングを出て行った。






「それじゃ、冬彦。私も行ってくるわ。」




「行ってらっしゃい。お母さん。」





冬彦が言い終わる前に、郁恵はドアを開けて、リビングを出て行った。







いつものように一人では食べきれない料理を前に、冬彦は明日の祭りに行くかどうか迷っていた。











しかし、健一の言葉が頭に浮かび、彼は明日の祭りに行くことを決めた。
< 77 / 363 >

この作品をシェア

pagetop