「キカイ」の子
「あっ!ちょっと、高椿君!あれ買おうよ!」




夏美は、カステラの屋台を指さしながら冬彦に尋ねた。





「え?鍬原さん…さっき、りんご飴食べ終わったばかりだよね?」




冬彦は、呆気に取られた顔で夏美に訊いた。





「あんなのでお腹なんて膨れないよ~」



夏美は笑いながら、片手を顔の前で振った。





「え、その前には、かき氷も、フライドポテトも、そう言えば、からあげも…」




「え?そうだっけ…アハハ、気にしない気にしない。」




そう言いながら、カステラの屋台に向かう夏美を、冬彦は慌てて追った。



















その時、二人の頭の上で、祭り会場全域に伝わるほどの轟音が鳴り響いた。
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