「キカイ」の子
冬彦は風呂からあがると、いつも通りの時間に自分の部屋に上がった。








しかし、今夜はいつもと違って、彼が勉強机に向かうことは無かった。







彼はベッドに横たわると、白い天井を眺めていた。








その天井に、今日の夏美の姿が現れ、冬彦は、また、ため息をついた。








「………断ろう。」







冬彦がそう呟くと、



「-ーっ……」



彼の胸に鋭い痛みが走った。









冬彦は、胸を押さえて、ベッドから起きると、痛みを不思議に思いながらも、明日の準備をし始めた。











いつもと同じ時刻に、彼の部屋の電気が消えた。
< 93 / 363 >

この作品をシェア

pagetop