「キカイ」の子
結局、その日の午前中、冬彦は夏美と一切、話すことがなかった。
それは透も同じだったが、落ち着いていた冬彦とは逆に、透は夏美の態度に腹を立てていた。
そして、昼休みに入った時、透は夏美の方へ駆け寄り、何かを話し、彼女と一緒に外へ出て行った。
冬彦は、夏美に何と話し掛ければ良いのか分からず、黙って二人が出ていくのを見守るしかなかった。
それから十分ぐらい経って、透が帰ってきた。それに続いて夏美も教室に入った。
「透…鍬原さんは…いったい……」
冬彦が透に心配そうに話し掛けると、透は、
「ん、あぁ…何でもねぇって。おれが、昨日途中でいなくなったせいで、夏美に食い物おごる約束を破っちまったからな…それで怒ってた。…だから、フユピコは心配すんなって。」
と笑って言った。
冬彦は、少し引っかかったが、訊いても無駄だと思い、黙って夏美の方を見ていた。
それは透も同じだったが、落ち着いていた冬彦とは逆に、透は夏美の態度に腹を立てていた。
そして、昼休みに入った時、透は夏美の方へ駆け寄り、何かを話し、彼女と一緒に外へ出て行った。
冬彦は、夏美に何と話し掛ければ良いのか分からず、黙って二人が出ていくのを見守るしかなかった。
それから十分ぐらい経って、透が帰ってきた。それに続いて夏美も教室に入った。
「透…鍬原さんは…いったい……」
冬彦が透に心配そうに話し掛けると、透は、
「ん、あぁ…何でもねぇって。おれが、昨日途中でいなくなったせいで、夏美に食い物おごる約束を破っちまったからな…それで怒ってた。…だから、フユピコは心配すんなって。」
と笑って言った。
冬彦は、少し引っかかったが、訊いても無駄だと思い、黙って夏美の方を見ていた。