暴風うさぎ
『ねぇ、成見君、私の卒アル見たい?』
放課後、委員会をやってる教室に移動して同じ実行委員の女子がツンツンと肩を叩いてきた。
『は?なんで今?つーかなんかメモらなくていいの?』
仕事なんて一切する気ないから代わりにやってくれなきゃ困るんだけど。
『今日は話し聞くだけだから大丈夫だよ。私もぶっちゃけみんなから押し付けられて委員会入ったからさ。真面目に毎回メモ取ってるのは2組ぐらいだよ』
『…………』
確かに。真っ直ぐな姿勢でちゃんと話しを聞いてるのは2組だけ………とゆーか宇佐美だけ。
なんであんなに真面目なんだろ。少しぐらいふざけたりサボったりしてもいいだろ。だからあいつは………
『ねぇ、今度成見君の卒アル見せてよ』
女子の声で俺の視線は宇佐美からはずれた。
『は、なんで?嫌だ』
『えー見たい!今度持ってきてよ』
『無理だから』
中学の卒アルなんて見て何が楽しいんだよ。ただ写真ベタベタ貼り付けてあるだけじゃん。
『じゃぁ、成見君の同中の人に頼もっと!えっと……成見君どこ中だっけ?』
『やめろ、しつこい』
『ご、ごめん……』
同中なんて宇佐美しかいねーし、他人に昔を知られるのは好きじゃない。誰だって知られたくない事は1つか2つある。