暴風うさぎ




退屈な委員会がやっと終わり、俺は自分の意思とは真逆に宇佐美に声をかけてしまった。


『あ、あのさ……』

宇佐美は少しびっくりしてたけどすぐに返答が返ってきた。


『どうしたの、成見君?』

『……』


その言葉を聞いて俺はまた不機嫌になりかけた。
宇佐美には言いたい事が山のようにあるのに、それを言わせないようにしてるのは宇佐美の方だ。


『………いや、別に。……あ、もし卒アルとか見せてって言われても絶対持ってこないで。それだけ』


『……うん、分かった』


こんな事が言いたかった訳じゃないのに。つーか分かったってなんだよ?せめて理由ぐらい………
なんで?ぐらい聞き返してこいよ。くそ。



『宇佐美、ちょっといいか?』


その後すぐに2組の担任が宇佐美を連れて行ってしまった。


もしかしたら雑用を押し付けられてるのかもしれない。クラス実行委員なんてやってるから頼りにされるんだよ。

まぁ、俺には全然関係ないけど。




 
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