暴風うさぎ
『なーるーみっ♪』
廊下を歩いているとガバッと誰かに抱き付かれた。
『ねぇ、遊ぼうよ!最近超ひまでさー。彼氏もいないし、成見がなってよ。ねぇねぇ』
『‥‥‥』
こいつの名前なんだっけ‥‥なんて思いながら俺は手を振りほどいた。
『彼女とかいらないし』
『えーなんで?彼女いらないとか言ってんの成見ぐらいだよ?他の男子って口を開けば彼女ほしー!って言ってるよ?』
でも欲しくないものは欲しくない。何とも思ってない女と付き合ってもする事は一つしかないし、
束縛もされたくない。
『つーかごめん、名前なんだっけ?』
『はぁ?奈々だよ!2組の土屋奈々!前に遊んだ事あるじゃん!』
『………そうだっけ?』
女の名前なんてどれも似たようなのばっかだし、
容姿もみんな似ていて分かりづらいんだよな。
『もう最低っ!いつか刺されろばーか』
『あーよく言われる。ってか2組って事はさぁ…』
『?』
『宇佐美由依と同じクラスだよね?』