暴風うさぎ
それから俺は今まで以上に女付き合いが派手になった。どれだけ乱暴に扱っても苛立ちをぶつけても受け止めてくれる。
俺にとって女と遊ぶのはただの捌け口でしかない。
思えば女遊びをはじめたのだって早く大人になりたかったからって理由だけ。
1回したらこんなもんかって感じで次々と関係を持った。
もしかしたらずっと泣き虫で弱い自分を消したかったのかもしれない。
『ねぇ、明日から天気悪いらしいよ。なんか台風来てるって』
いつものカラオケボックス。行為が終わった女はワイシャツのボタンを止めながら乱れた髪を直していた。
『台風?』
『あれ、ニュース見てない?けっこうでかいらしいよ。上陸したら明日学校休みになるかもよ。ラッキー』
だから今日はこんなに風が強いのか。天気予報なんて全然見ないから知らなかった。
『そしたらうちおいでよ。親仕事で居ないしさ』
『あー、気が向いたら』