暴風うさぎ
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次の日、天気は昨日の嵐が嘘みたいに晴天だった。
窓を開けると少し肌寒い風が頬を通りすぎる。
隣に宇佐美はいない。
宇佐美にかけたはずのパーカーが俺の体にかけられ、残るのは微かに温かい宇佐美のぬくもりだけだった。
『……本当、嵐みたいな奴』
ぐるぐると気持ちをかき乱してパッ消える。
いつも寂しさだけを置いて。
時間は7時。そろそろ朝練の奴らが学校に来る。
そして次々とみんな登校してきて、
『昨日の台風やばかった』とか『今日の体育だるい』とか、そんな下らない事を喋りながらまた日常がはじまるんだ。
『もしもし、成見?今日昼飯コンビニ?それとも学食?』
俺もまたいつもの日常に戻るのだろう。
『うるせー新井、朝から電話してくんな』
『は、ひどくない?』