暴風うさぎ
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暫くしてだるい委員会が終わった。それと同時にぞくぞくとみんな帰っていく。
俺も眠い目を擦りながら廊下に出ると、ムニュっと変な物を踏んだ。
それはうさぎのストラップ。
ストラップと言ってもでかい人形みたいなやつで明らかに女子の物。
ってかこんなでかいの落としてなんで気付かないんだよ?
そう思いながらも俺はこれを落とした人物に心当たりがある。
どうしようかすごく迷ったけど、シカトする程避けたい訳じゃない。
『-------う……宇佐美』
ぎこちなく名前を呼ぶと、そいつは足を止めた。さっきの前の席に座ってた女。
『これ宇佐美のだろ?』
そう言ってうさぎを見せると、あ……と自分の携帯を確認した。
つーか、このうさぎ携帯より重いと思うんだけど。
『あ、ありがとう。全然気付かなかった』
向こうもぎこちない態度。当たり前か。こうして話すのは久しぶりだし。
『それチェーン切れかかってるから気をつけた方がいいよ。じゃっ』
俺は一度も目を見なかった。すると再び宇佐美が声を出した。
『………うん。わざわざありがとね。成見君』
----------ちっ。
俺はその言葉を聞いて足早に教室へと戻った。