暴風うさぎ
Not a crybaby
『あー!!気持ちわりぃ。
モヤモヤする!!!!』
教室に着くなり、俺は心の声をぶちまけた。
成見君だ?ふざけんじゃねーよ。
大体あんなに物静かな喋り方じゃねーし、ありがとね。なんて言うキャラかよ。
あーイライラするわ本当。
俺はガシガシと頭を掻きながら深いため息をついた。…………いや、待て。
冷静に考えたらイライラする必要はないんだ。
別にあいつがどんな風に変わろうと俺には関係ない。
『あれ、成見まだ帰ってなかったんだ。
じゃぁ、一緒に帰ろうよ』
廊下から声をかけてきたのは今日暇だと誘ってきた女。その声を聞いて俺は冷静になった。
俺はあの頃の俺じゃない。大事なのは今で、楽しければなんだっていい。
結局俺はその日、そのままその女の家に行って不純な事をした。いつもより長く、そして乱暴に。
昔は嫌な事があると二、三日は引きずってた。
でも今は馬鹿な事をしてると簡単に忘れられる。
男は単細胞とか言うけど、案外そうかもしれない。