会いたい、伝えたい、この思い
偶然
2か月なんてあっという間に過ぎ、季節も夏から秋に変わっていた。
そして、渚紗は引っ越して一人暮らしを始めた。
とは言え、実家から3㎞程しか離れていない場所。
どちらにしても、地元で暮らしている。
最初は、いろいろな物が必要で、しょっちゅう買い出しに出かけていた。
渚紗が暮らしている辺りは、ちょっと歩けばコンビニ,スーパー,薬局,本屋とある程度の物は何でも揃うという環境が整った場所。
今日は、100均へ買い物に出掛けていた。
ここも、自転車で5分と掛からない距離。
そこで、渚紗は、よく聞きなれた声を聞いた。
「いらっしゃいませ~」
店内に響き渡るその声の持ち主。
それは...
「・・・高杉?」
昔よりもちょっと声は、高かったが、間違いなく高杉の声だった。
思わず辺りを見渡す渚紗。
レジの近くを見ると接客をする高杉の姿が。
「・・・こんなことって本当にあるんだ」
と、小声で言い、嬉しさのあまり、泣きそうになった。