会いたい、伝えたい、この思い
早々に買い物を済ませ、ドキドキしながらレジに向かうと、もう高杉の姿はなかった。
「・・・あれ?」
確かに少し前までは、ここに高杉がいたはずなのに。。。
ショックを受けながらも会計を済ませ、お店を出ようとしたその瞬間、また高杉の声が聞こえた。
「いらっしゃいませ~」
おそらく、渚紗が買い物をしている間にレジと陳列係を交代していたらしい。
もう出口に立っていた渚紗は、ここで引き返すのもあれだなと思い、そのまま帰ることにした。
結局、話せなかったけど、渚紗は落ち込んでいなかった。
なぜなら、ここに来れば、また高杉と会えると分かったから。
ずっと会えなかった5年間。
やっと彼に会える。
それだけで、嬉しかった。
「こんな偶然ってあるんだ。今度こそ!」
と、心を躍らせながら、渚紗は帰宅した。